防音工事の助成について、
空港会社の助成と、共生財団の助成の違い
がよくわからない
こんなお悩みを解決する記事です。
この記事の内容▼
・防音工事に関する空港会社からの助成
対象エリアについて
防音工事の内容について
防音工事の助成について
・防音工事に関する共生財団からの助成
「騒防法第一種区域」の助成
「隣接エリア」への補助
まとめ
成田空港周辺の防音工事の助成には、その条件によって、
空港会社からの助成
と
共生財団からの助成
があります。
では、その違いは何でしょうか。
位置づけとしては、共生財団からの助成は、
空港会社の助成を、「補完」する内容
となっていると言えます。
ですので、
基本は、空港会社からの助成があって、その上で、条件によって、共生財団からの助成がある、
と言えます。
また、この他に、そもそも、空港会社からの助成が無いエリアであっても、特定の地域では、共生財団からの助成が受けられる場合があります。
この特定の地域は、「隣接地域」と呼ばれています。
主な助成について、下記に、順に説明していきます。
また、記載の助成に関しては、要件が設定されており、最終的な助成内容は、各機関の判断によります。
防音工事に関する空港会社からの助成
対象エリアについて
防音工事に関する空港会社からの助成は、
「騒防法第一種区域」
と呼ばれるエリアになります。
これは、騒防法と呼ばれる法律のよって定められたエリアです。
(騒防法の正式名称は、航空機騒音防止法(公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に 名称 関する法律)です)
この「騒防法第一種区域」は、滑走路の増設や延伸や、夜間飛行制限の緩和の計画にしたがって、
騒防法(騒音対策関係法令)の告示(令和2年4月1日施行)
がなされて、その範囲が拡張しています。
対象エリアは、下記になります。
防音工事の内容について
防音工事の内容としては、基本、
・ 天井と壁の防音工事(減音材使用)[騒音基準により対象から外れる場合があります]
・ 開口部(玄関、窓、掃き出し)部分の防音対策
・ 空気調和機器(冷暖房機・換気扇・レンジフード)の設置補助
となります。
具体的な工事内容については、騒音基準により、
B工法 (66デシベル以上73デシベル未満)
と
C工法 (62デシベル以上66デシベル未満)
に区分されています。
天井と壁の防音工事(減音材使用)は、
B工法のみ
となります。
防音工事の助成について
防音工事の助成は、
工法
および
世帯人数
によって、その上限が決まっています。
ですので、それを超える工事の場合は、自己負担となります。
住宅防音工事のご案内
https://www.naa.jp/jp/csr/pdf/bouon_kouji.pdf
防音工事に関する共生財団からの助成
防音工事に関する空港会社からの助成は、
「騒防法第一種区域」
と
「隣接区域」
と呼ばれるエリアが対象となります。
「騒防法第一種区域」の助成
防音工事の内容について
「騒防法第一種区域」の助成の対象となる工事内容は、下記になります。
拡充工事
拡充工事と呼ばれる、
C工法の対象エリアの住居に対する「壁・天井部分への減音材施工」
があります。
上記にも記載しましたように、第一種区域のうち、「62デシベル以上66デシベル未満」のエリアがC工法の対象になります。
このC工法の対象物件に対して、
「壁・天井部分への減音材施工」
の助成があります。
寝室への内窓設置工事
共生財団の助成として、
・居住人数分の寝室に対する内窓設置工事
・対象となる寝室の壁と天井に対する補完工事
があります。
ただし、「内窓設置工事」の対象地域については、騒防法第一種区域の中の、更に限定された地域になります。
「隣接エリア」への補助
「隣接エリア」は、下記の図の箇所になります。
隣接エリアへの助成としては、
空気調和機器更新工事の補助
があります。
助成ではなく、「補助」ですので、工事に際しての自己負担もあります。
自己負担の内容としては、
空気調和機器設置工事費の5%
となっています。
まとめ
主だった助成については、上記の通りです。
上記以外にも、要件よって、
・後継者住宅を対象とした助成
・防音済み住宅の改築時の助成
・空調機器の更新時の助成
・防音サッシ部品(本体)交換工事
などの助成(補助)もあります。
いずれにしましても、助成を受けるためには、
申請後の現地調査や、工事の完了検査など
のいくつかのステップがありますので、その結果に応じての判断になります。
もちろん、エリア的な要件もありますので、あくまで、条件を満たした場合に、規定に沿った内容の助成を受けることができます。
ですので、必ずしも、助成枠の上限いっぱいで申請が通る訳ではありません。
事前に、そういった点も認識しておきましょう。
以上、「空港会社の補助と、共生財団の補助の違い」についての説明でした。